レースリポート
職業選択の1つとしてのボートレーサー 島倉都と佐藤右京が高校で授業を担当
2024.03.12
3月11日、宮城県仙台市にある仙台大学附属明成高校で、ボートレーサーの島倉都(群馬支部26歳)と佐藤右京(東京支部22歳)を招き、授業が行われた。
「総合的な探究の時間・夢への挑戦」と題された50分間を2コマ。スポーツ創志科の1年生74人を対象に3時間目を、そして普通科の1年生58人を対象に4時間目を、ボートレーサー2人で担当した。
多感な高校生時代は、時に迷い、時に挫折感を味わうことが多いが、夢を実現する過程の中で取り組んだことを率直に伝え、希望や勇気につなげられればという趣旨である。
昨年5月にデビューした132期の佐藤右京は、この明成高校の卒業生。在学中はサッカー部に所属し活躍した。
一方、島倉都は新潟県出身の女性ボートレーサー第1号。学生時代、カヌー競技に取り組みインターハイや国体に出場している。
授業では、ボートレーサーという職業を志した理由や養成所に合格するまでの努力や厳しさなどについて話されたが、佐藤右京は母校の後輩を前に、「自分は養成所の受験に何回も失敗しました。フィジカルを一生懸命鍛えていたのに、1次試験で終わってしまうことばかり…。どうしてもレーサーになりたかったので挑戦し続けはしましたが、自分の進むべき道にけじめが必要だと思うようになり、これが最後と決めて臨んだのが132期でした」と振り返り、感動を呼んでいた。
また、島倉都は「誰もがゼロからスタートできるスポーツであるばかりか、男女が対等に戦える競技であるところに魅力を感じました。また、結婚・出産後に復帰する選手が多いこともボートレース業界の魅力だと思います」と朗らかに話していた。
この授業が与える影響はすぐに表れるものではないが、いずれ時を経て人を動かすことになるかもしれない。
ちなみに、仙台大学附属明成高校はアメリカNBAで活躍するプロバスケットボール選手、八村塁の母校。夢多き若者が集う学び舎である。