レースリポート
児島ヴィーナスS第11戦 重量調整5キロをクリアし勝利の薮内瑞希がドリーム走る
2023.09.13
ボートレース児島で開幕したヴィーナスシリーズ第11戦の12日、初日。珍しい出来事があった。薮内瑞希(岡山支部27歳)【写真2枚】の重量調整幅が前半と後半で1.5キロあったのだ。
初戦は12時50分締め切りの第5Rだったが、この時の体重は43.5キロ。規定の最低体重47キロに3.5キロ足りなかったため、その分の調整ジャケットを身に着けてレースに臨んだ。(結果は4着)
しかし、その2時間後、14時46分締め切りの第9Rの時は42.0キロ。なんと1.5キロも体重が落ちていたのである。
薮内が「暑かったですね…。過去、こういうことがなかったわけではないんですが、ここまではありませんでした」と語っているように、12日の児島は9月とは思えないほど蒸し暑い一日だった。そんな中、必死に試運転を繰り返し大量の汗をかいたのだ。
当然、重量調整をしなければならないが、その重さはなんと5キロ。
ここまでいくと調整ジャケットに加えボートにマットを敷くことになるのだが、これが「初めて…」だったという。
「コックピットに2キロのマットを敷くので、ボート全体が一様に重くなり回転が上がりにくくなると思って回転調整…」した結果が、3コースからのまくり差し1着。価値ある勝利となった。
水上を滑走するボートにとって重さは負荷となる。従って、身をけずるようにして厳しい減量に臨むレーサーが多いが、一方、規定を下回るレーサーにも大きな負担になることがあるのだ。
そんな試練を克服した薮内瑞希の2日目は12R「クラリスドリーム」6号艇。初日連勝を果たした女王・田口節子をはじめ強豪ぞろいだが、「ターンの足をしっかりさせた上で伸びを引き出せればと思っています」と語る次代のヒロインがどんなレースをするのか、興味は尽きない。