レースリポート
大村G2 MB誕生祭に参戦中 2022年女子勝率1位の田口節子の強さのひみつ
2023.04.13
数字は不思議だ。
ものの数え方にもふたつある。
たとえば、年齢と学年。
人は、誕生した時、0歳児と呼ばれる。
次の誕生日がきて初めて「1歳おめでとう!」だ。
一方、小学校に入った時にはいきなり1年生である。
年齢はスタートした時は0。学年は1から始まる。
厳密には国語学者の解説を待たなければならないが、「周年」と「周目」の一般的扱いも違う。
たとえば、量販店がオープンし丸1年経つ頃、「1周年記念セール」が展開される。つまり開店時は0という扱いである。
一方、ボートレースはいきなり1周目だ。もしこれが量販店方式なら、2周目に入る瞬間に「1周目記念セール」を行わなければならない。むろんありえないが…。
ところで、ボートレースの誕生日は1952年(昭和27年)4月6日。生誕地は大村である。以来、年齢方式で数えれば71歳。学年方式でいえば72年生となった。
今年3月(誕生日前)の「G1海の王者決定戦」は年齢方式で計算されており、「開設70周年記念」と銘打たれていた。(優勝は毒島誠)
現在、そのボートレース大村で「G2モーターボート誕生祭」がナイターで開催されている。きょう13日が2日目、最終12Rが「龍神ドリーム」だ(下図参照)。
今大会は3名の女子レーサーが参戦しているが、その1人、田口節子(岡山支部42歳)【写真2枚】が5号艇に組まれている。初日は3着・1着と好発進しただけに期待される2日目のドリーム戦だ。
プレミアムG1クイーンズクライマックスを2年連続で制したばかりか、2022年には年間勝率7.39をマーク、女子1位となった田口節子のレースには堅実味がある。
昨年1年間のコース別データは以下のとおりだ。
1コース:1着率80.0% 3連対率90.6%
2コース:1着率35.0% 3連対率82.5%
3コース:1着率24.3% 3連対率59.4%
4コース:1着率26.3% 3連対率63.0%
5コース:1着率19.5% 3連対率63.3%
6コース:1着率 3.7% 3連対率51.8%
このデータは記念戦線を含むものであり、いかに頼りになるかわかる。現在の女子最強選手のレースは実に手堅い。
その背景にあるものについて田口節子は「自分にプレッシャーをかけすぎないようにしている」と、近況語っている。緊張しすぎることで持てる力が発揮できない状況を回避する考え方だが、そこには本人が痛いほど自覚する責任感がある。重圧に勝った時があれば、負けたこともあったのだ。
責任感の強い者には「あまり肩に力を入れないように」といい、薄いと感じれば「もっと自覚せよ」というのが世の常。
田口節子は数々の失敗を通じ、自らに語りかけることができるアスリートである。