レースリポート
“梅”のように手間暇かけ努力することで成長を期す 梅内夕貴奈
2023.03.04
3月上旬は梅の見ごろの終盤である。
地方によるが、3月も半ばを過ぎると梅園を訪れる人は少なくなる。この週末あたり、時間のある向きは出かけてもいいだろう。
一般財団法人梅研究会によると、「梅はバラ科サクラ属の落葉高木で開花時期は1月から3月」という。
その種類は愛好家がよく知るものだけでも50ほどあり多様。その見た目の気品と香りが鑑賞者を楽しませてきた長い歴史がある。
古老は「桜切るばか、梅切らぬばか」というが、これは花のつき方の違いからくる諺(ことわざ)。
枝の先端に花をつける桜は、一度剪定(せんてい)したり折ってしまうとその先に枝が伸びても花が咲かない。
一方、梅は枝全体に花がつくため、小枝を刈り込み新しい枝を伸ばせばその分花が増えるのだ。
桜は天然自然に任せておいた方がよく、梅は手間暇かけて剪定したほうが美的となるのである。
きっと、人の成長も一様ではないのだろう。
ボートレーサー約1600人のうち、この「梅」の字が入った苗字をもつ選手が3人いる。
登録番号4876の梅木敬太(B1)、登録番号4929の梅内夕貴奈(B2)、登録番号5206の梅原祥平(B2)である。
女子レーサー梅内夕貴奈(東京支部27歳)【写真3枚】は2016年5月に多摩川でデビューした118期生。父親は現役オートレーサー梅内幹雄氏である。
「父がオートレーサーだったこともあり、流れで受験しましたが、1回目は1次で落ちて2回目は2次で不合格。意地になって受けた3回目で合格しました」と心意気ある女性だ。
父は、現在A98にランクされているG1V2レーサー。400人いるオートレーサのうち、成績上位1位から48位がS級。49位から280位がA級、それ以下がB級にカテゴリー分けされていることを考えると、57歳の父、梅内幹雄選手の活躍ぶりが分かる。次走あっせんは3月13日からの川口ナイトレースである。
一方、「ボートレーサーにならなかったらトリマーになっていました。それくらい犬が大好き…」と語る梅内夕貴奈は現在B2。これからの躍進が期待される27歳の次走は3月20日からの蒲郡・ガマゴリうどん杯争奪ALガマの女王決定戦である。
成長のため手間暇は惜しまない。開花を信じ注目していきたい。