レースリポート
師匠・宮地元輝を励ます小芦るり華の活躍
2023.01.28
今年の正月レースで初優勝し、勢いに乗っている女子レーサーがいる。佐賀支部118期、25歳の小芦るり華【写真2枚】だ。
1月9日の徳山「西部記者クラブ杯争奪 徳山オールレディース」でインから逃げて栄冠を手にしたのだ。4回目の優出だった。
「緊張で手が止まってしまいました。あんまり上手なターンじゃなかったです…」と振り返りつつ、「師匠の宮地元輝選手にすぐに報告します!」と報道陣の質問に答えている。
師と仰ぐのは、2022年12月の大村グランプリシリーズ戦で優勝した宮地元輝である。
優勝ゴールの瞬間の、胸を拳でたたくガッツポーズに感激したファンは多い。
体重との戦い、相手構わぬ妥協なきコース取り、恐れを知らぬ果敢な走り…。いずれも己を追い込むことで成し得た戦法である。そのことをファンは知っているのだ。
「見捨てず指導してくれた師匠の冨成謙児さんと、こんな僕についてきてくれる弟子の小芦るり華のおかげ。とくに小芦を指導することで自らを律し成長することができた」と、グランプリシリーズ優勝後に語っているが、志高き師弟のつながりは美しい。
取材すると、本人もそのことを認めていた。
「いい師弟関係を築けてうれしいです」と。
小芦るり華はフェンシングに打ち込んでいた高校時代にボートレーサーに憧れ、プロレーサーになったが、攻める気持ちが前に出過ぎフライングを多発して1年間レースを離れる危機を経験している。その期間は、「ボートに乗って乗って乗り尽くした」という。決してくじけないアスリートである。
今は1艇身のスタートを基本としつつ、それでも攻める姿勢を貫いており、気概は変わっていない。
2021年後期にA2級へ昇格すると、2023年前期まで4期連続A2とし、来期に向けては6点台半ばの勝率をマークするなど初めてのA1も夢ではない。
27日に閉幕した宮島「ヴィーナスシリーズ第19戦」の最終日は4Rと9Rで2着・1着。レースも成績も、加速感あふれる姿勢で突っ走ってほしいと応援するファンは多いことだろう。次節は2月3日から、びわこヴィーナスシリーズ第20戦だ。