レースリポート
リケジョ中村かなえ 宮島の男女混合戦で初Vにチャレンジ!
2022.09.11
宮島の「第19回日本モーターボート選手会会長賞」は、10日開幕した。男女混合戦である。
初日は10Rを除き女子が1名ずつ参戦。その女子はのべ4名が1着ゴールを果たしている。
中田夕貴は初日連勝である。
4R:中田 夕貴(5コースまくり差し)
5R:中村かなえ(5コースまくり)
7R:中村 桃佳(2コースまくり)
8R:中田 夕貴(1コース逃げ)
男女互角に戦うのがボートレース。それを魅力と考える女性が増えたことで盛り上がっているのも事実である。敢闘精神をファンは愛でているのだ。
2016年1月の下関で、デビュー1年9カ月の中村桃佳が強豪男子レーサーを破り初優勝を飾ったのはその象徴だ。5コースからのまくり差しだった。
そんな5コースまくり差しを彷彿(ほうふつ)とさせたのが、宮島初日に1着を走った中村かなえ【写真2枚】だ。2017年11月平和島デビューの29歳である。
その経歴は独特。お茶の水女子大学理学部で化学を学び、その後大学院に進んだ本物の「リケジョ」なのだ。専攻は溶解している液体の分子構造だという。
「水面状況や起こし位置とスタートの関係性など、気づいたことはノートに書き込む」理論派は、地道な実験を重ねることで仮説を検証するタイプ。リケジョならば当然である。
一方、いろいろなことに不思議を感じ挑戦する冒険家の側面も持つ。「なんでもやってみるタイプ」はさまざまなスポーツに取り組むだけでなく、野宿しながらのサイクリング経験があるなど野生派でもある。過去1年間の平均スタートタイミングコンマ13にそれが表れているが、4・5コースはコンマ11とさらに速くなるのだ。チャレンジ精神の発露といってもいいだろう。
デビュー以来一度も勝率を落とさず2期連続のA2としている中村かなえ。
2023年前期適用勝率も6.10(9月10日時点)としており、初のA1も視野に入っている。
これまで優出4回ながらまだ優勝はない。男女混合戦の宮島で、その開花に期待したい。