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レースリポート

(C)BOATRACE中村かなえ

白衣も似合えばカポックも似合う中村かなえ レディースチャンピオンでG1デビュー!

2022.08.01

第36回レディースチャンピオンがあす8月2日開幕する。
舞台はボートレース丸亀。潮が満ち引きする瀬戸内水面である。
期間中の潮汐は次のとおりだ。

(C)BOATRACE

初日から4日目まではナイター時間帯の水面が低く、5日目からは反対となる。
2m近い干満差があるためレースに影響が出るのは当然。潮の出入り口が2マーク側にあるため、満ちていく時間帯では「追い潮」、引いていく時には「向かい潮」となる。
「追い潮&追い風」条件となった場合はフライングに警戒しなければならないが、タイミング調整法は十人十色。選手によって異なる。

経験値や勘をもとに合わせるタイプもいれば、風速や潮の流れをつぶさに計算するレーサーもいる。
また、スタート展示の感覚の狂いを、起こし位置で調整する者がいれば、加速開始のタイミングでアジャストする選手もいる。
「スピードの乗った的確なスタート」という共通目標がありながら、アプローチが異なるのだ。まるで科学の研究や実験のようである。

たとえば現代科学で進められている「宇宙創成」の研究にも、数学的アプローチや観測的アプローチなどがあり手法はさまざま。仮説にしてもその検証方法にしても確証がない中、取り組んでいるのである。

それは当然であろう。
未だ結果や法則が分からないことに挑戦しているのである。分かっていることはもはや仮説ではないし、確立した手法がある時点ですでに未知の世界ではない。

(C)BOATRACE中村かなえ

そんな未知の世界に身を置いていたのが121期の中村かなえ(東京支部)【写真2枚】だ。
お茶の水女子大学理学部で化学を学び、その後大学院に進んだ本物の「リケジョ」である。
専攻は溶解している液体の分子構造の研究だという。

ただ、関心・興味は多岐にわたる。
「いろいろなことに不思議を感じる」女の子はスポーツも万能で「なんでもやってみるタイプ」だという。
学生時代、野宿しながら1カ月ほどのサイクリングをしたこともあったというほど幅が広い。

経験値や勘を重んじながらも、仮説を立て地道な実験もできる全方向型の女性は、人柄も朗らかで屈託がない。人を飽きさせない魅力満点の女子レーサーなのだ。

デビュー以来一度も勝率を落とさず伸び続け、現在2期連続のA2としている中村かなえ。
このレディースチャンピオンがG1初舞台である。
どんな走りを見せてくれるのか、楽しみでならない。

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