レースリポート
6号艇2回の試練乗り越え平高奈菜が連覇王手! 福岡クイーンズクライマックス
2021.12.31
ボートレース福岡の「プレミアムG1第10回クイーンズクライマックス」(優勝賞金1500万円)は大みそかのきょう31日、トライアルを勝ち上がった6選手により、最終12Rで優勝戦が行われる。
トライアル3回戦の11Rは1号艇を引き当てた地元の渡邉優美【写真下】がインから万全の逃げ。3コースから握って攻めた小野生奈は大きく飛んで振り込んでしまい、絶好の差し場ができた4コースの細川裕子が寺田千恵の猛追を振り切って2着を死守。連勝中だった平高奈菜は4着。3連単の1-4-2は6040円で22番人気。
この結果、平高と渡邉は優出が決まり、勝負駆けだった小野生奈、寺田千恵、大山千広は脱落。ただ、12Rの平山智加と海野ゆかりがともに3着以下の場合、同じ19点でも上位着順で上回る大山が優出する可能性は残った。
そして、いよいよトライアルラストバトルの12R。今節3回目のイン戦だった遠藤エミが逃げ先制するも、2、4コースから平山智加【写真下】、守屋美穂が次々と差し、バックで突き放せなかった遠藤は2人に届かれてしまった。1周2マークは守屋が先に回り、平山、遠藤、海野が次々と差す展開。ここで平山が抜け出してまず1着が決まり。残る3人による2着争いは2周2マークで差した海野に軍配。さらに遠藤が守屋に競り勝って3着。3連単の2-3-1は1万1890円の37番人気と波乱決着に。
この結果、クイーンズクライマックス優勝戦のメンバーと枠は次の通りに決まった。
<福岡 最終日 12R 優勝戦>
1枠 平高 奈菜(香川支部)1着1着4着 26点
2枠 田口 節子(岡山支部)1着1着5着 25点
3枠 渡邉 優美(福岡支部)3着4着1着 23点
4枠 遠藤 エミ(滋賀支部)2着4着3着 22点
5枠 守屋 美穂(岡山支部)3着2着4着 22点
6枠 平山 智加(香川支部)4着5着1着 21点
自力抽選の2回をどちらも6号艇だった平高奈菜【冒頭の写真】が田口節子を抑えてトライアルをトップでクリアし、優勝戦の1号艇を手にした。昨年の浜名湖大会からの連覇へ大きく前進。さらに優勝して遠藤エミが3着以下だった場合、大逆転で今年の賞金女王に輝く。
今節の流れが良かった田口節子【写真下】は12Rで3着なら優勝戦1号艇だったが、5号艇で展開もなく5着と敗れ2号艇に。しかし、パワーの仕上がりは優勝戦でもトップ。さらに遠藤エミがインで3連敗しているように、福岡のインは絶対的な強さではないので、2号艇でも十分に優勝のチャンスはある。
渡邉優美は初出場で初優出。地元勢ではただ1人の優出と面目は保った。パワー面では不安を残すものの、福岡の3号艇は先攻めでレースをつくれる位置。大金星があるかもしれない。
トライアルの3走すべて1号艇だった遠藤エミはついに未勝利に終わってしまい、4号艇になった。ただ、どこから何でもできる強さこそが遠藤の魅力。優勝すれば2001年に寺田千恵が記録した女子最高の獲得賞金約6721万円を超えて、新記録達成となる。さらにレディースチャンピオン、レディースチャレンジカップから史上初となる女子4大競走3連覇という偉業もかかる。
守屋美穂は田口節子とともにモーター抽選運には恵まれていたが、まだそのパワーを100%発揮できていない印象を受ける。ただ、外枠でも攻めの迫力は十分あるので、ダークホース的な存在か。
平山智加は1着条件の勝負駆けを成功させての優出。6号艇にはなってしまったが、最低限のノルマは達成した。センター枠に渡邉優美、遠藤エミ、守屋美穂と攻め手が3人もいるだけに、大外でも展開が向くシーンがあるかもしれない。