レースリポート
遠藤エミはどうして強い? 「私以上に私を信じてくれる方がたくさんいる」
2021.12.24
「大晦日決戦」まであと1週間。話題はボートレース福岡のプレミアムG1クイーンズクライマックスに集中している。開幕は28日。シリーズ戦はそれより2日早くスタートする。
賞金ランキング上位12名のボーダー争いは激烈だったが、今年安定していたのは遠藤エミ【写真2枚とも】。1月の蒲郡ヴィーナスシリーズを皮切りに、多摩川ヴィーナスシリーズ(4月)、びわこヴィーナスシリーズ(5月)、徳山オールレディース(5月)と優勝を重ね、8月の浜名湖レディースチャンピオンに参戦し優勝した。
その表彰セレモニーで遠藤エミは、「一番取りたかったタイトルで、すごくうれしいです。成績が悪い時でもどんな時でも応援してくれる私以上に私を信じてくれる方がたくさんいて…」と言って落涙した。
「私以上に私を信じてくれる方」とは深淵な言葉である。
「自分を信じられなくなりそうになること」
「へこたれて、くじけそうなときがあること」
「弱い自分をありのまま表すわけにはいかないこと」
「前に進めるだろうかと疑心暗鬼になること」
「失敗したらどうしようと怖れること」
「期待に反したらどうしようと怖くなること」
…そんな不安を、マイナスの気持ちを、知っている人がいるというのである。
苦しみへの共感なくして、人は人を信じることはできない。
先んじている者は、指導し励ます。
傍観者は、解釈し解説する。
信じる者は、見つめ祈り共に歩もうとするのだ。
つまり、遠藤エミの涙は、そのまま信じる者の涙となったのである。
レディースチャンピオンとレディースチャレンジカップを取った2021年。クイーンズクライマックスで戴冠すれば三冠王となる。
その姿を想像し祈るファンが多いことを想うと、胸が熱くなるものだ。